ボードゲームを自作して販売するための手順を解説します
今回は初めてボードゲームを作ってみたので、ボードゲームの作り方の手順を公開します。ボードゲームを作るのが初心者の方、初めてボードゲームを作る方、これからボードゲームを作って販売しようとしている方は参考にしてください。
ボードゲームの自作に関して
世界でも有数のゲーム大国と呼ばれる日本ですが、最近は電気を使わない「ボードゲーム」にも注目が集まっています。盤やコマなどを使ったアナログなゲームは人間同士で面と向かって遊べるのが魅力。子どもの知育玩具としてはもちろん、家族や友人といった大切な人とのコミュニケーションツールとしても最適です。
ボードゲーム開発はオススメ度が難しいところです。そもそもこの趣味はボードゲームをやっているうちに行きついた趣味なので、いきなりボードゲームを開発しようとしていた訳ではありませんでした。
具体的には、ボードゲームを作って売るということです。中々マニアックな趣味だと思いますが、意外と楽しいです。自分の作ったもので他の人が楽しんでいる姿を見ると作ってよかったなと実感します。
ボードゲーム作成の難易度の高いポイントは、ボードゲーム自体は作ろうと思えばだれでも作れると思いますが、それを他の人にやってもらおうとすると急激に難易度が上がります。
この記事に作り方の過程を順に書いていきますが、本当にボードゲームのルールを考えるだけならばそんなに難しくないと思います。
しかし、それを実際に形にしようと思ってイラストを探したり、ボードゲーム用の駒を探したりすることでハードルが上がってきます。また販売しようとするともっともっとハードルが上がってしまいます。そんなボードゲーム作りですが、これからやろうとされている方がこの記事を読んで参考にして頂ければ嬉しく思っています。
初めてのボードゲームの自作
初めてボードゲームを作ろうとしている方はここに書いてある手順で考えれば自然とボードゲームが作れてしまいます。ボードゲームを作るのは難しくないです。意外と簡単にできます。実際のやり方としては以下の手順でボードゲームの考案していきます。
以下、この順番で解説していきます。
①テーマの考案
②ゲームの構築
③一人でテストプレイ
④友人とテストプレイ
⑤制作
⑥販売
①ボードゲームのテーマの考案
まず一番最初に考えるのはボードゲームのテーマです。どのようなボードゲームを作るか考えるのです。世界観が大事です。ボードゲームという世界に壮大なロマンを注ぎ込むのです!
と、大げさに考えなくても、やはり後々ボードゲームを販売していくためにもボードゲームの世界観は重要です。他の人に面白そうと思わせられるテーマが良いです。
とはいえ、いきなり面白いゲームのテーマを考えるのは難しいので、まずは身近で面白かった体験をゲームにするとよいと思います。
日常生活の中でふと楽しかったことって何かありませんでしたか?大きな出来事ではなく自分だけでもちょっとだけ楽しかったことで良いのです。なにか面白かった体験ってありませんか?
例えば、明日の天気の予想が当たったときとか、ストップウォッチでピッタリ10.00秒が出せたときとか。
本当にそんな程度で良いのです。自分が楽しかったもの、それをアイデアとしてメモしておくとよいです。だいたい自分が楽しかったものは他の人も楽しいので共感してもらえます。
そこをゲームとして利用します。テーマは身近であれば身近であるほうがよいです。
無理にゲームを考えるのはゲーム作りのプロでないと難しいです。アマチュアである私たちは身近で面白かった体験を利用するほうが楽です。
また、ゲームの設定はゲームが完成した後からでも変えられるので、本当に気軽に自分が面白そうな世界観でゲームを作り、販売していく段階で売れそうな設定に変えていくのもベターだと思います。
私自身のボードゲーム作成のコンセプト
話が少しずれますが、私個人としては、「ボードゲーム初心者など普段ボードゲームをやらない人」をメインターゲットにしたいと考えています。
といいますか、ボードゲームで頻繁に遊んでいる人よりも、ボードゲームに興味はあるけど、ボードゲームをやる機会がない人の方が圧倒的に人数が多い気がするのです。
そのため、気軽にできるボードゲームを作りたいと思っているため、世界観の凝ったボードゲームはあまり開発をしたくないと思っています。
僕自身は、玄人向けのボードゲームも結構好きなのですが、ボードゲームの面白さを一般な人に広めたい気持ちが強いので手軽に短い時間で楽しめるパーティータイプのボードゲームを開発したいと考えています。
具体的には、 手軽にできるボードゲームの理想として、20代の男性が彼女とデート中に気軽にできるボードゲームを開発したいと思っています。理想は喫茶店でできるボードゲームを開発したいと思っています。
ボードゲームの弱点として、広いスペースのある家でなくては、しかも大人数でなければボードゲームはやりにくい印象があります。
また、大人になると友人となかなかボードゲームってやりにくいという世間の印象を打破したいと思っています。
普段、大人がボードゲームをやるとしたら自分の子供と一緒にやるのが主だと思うので、そうじゃなくて大人も気軽にボードゲームやればいいと思ってるんです。そのためにはカフェでできるくらい気軽なボードゲームがあったら良いんじゃないかなって思います。
僕自身の考えとして、ボードゲームを作って売りたいだけではなく、ボードゲームをやることで得られる付加価値をベースにしたいというモットーがありますので、そこを大切に開発を続けていきたいと思っています。
②ボードゲームの構築
本題に戻ります。考えたボードゲームもテーマを展開させて実際にゲームにしていきます。まず初めてボードゲームを考える際のコツは5~15分のゲームにすることです。下記に理由は書きますが、初心者へのオススメは18枚or36枚のカードで出来るボードゲームを考えることです。
プレイ時間2時間で、専用のカードを100枚以上でに専用コマを数十個使うといった大作ゲームをいきなり作るのはやめた方が無難かと思います。
ゲームの構築自体はそんなに難しい作業ではありません。ゲームの元となる設定面白かった体験があればそのを経験を元にして、その体験に近づけられるようにゲームを組み立てればよいのです。
例として、私が昔考えた仮想通貨のゲームがあります。このゲームの元になるのは実際に「仮想通貨が暴落するリスクと、儲かるかもしれないというリターンのバランスの難しさ」の体験がベースとなっています。
当時、私は資産を現金を持っていた方がよいのか、それとも仮想通貨に投資するべきか、それとも株に投資するべきか悩んでいました。その体験をそのままゲームにしました。
自分が一番悩んでいた部分が「仮想通貨と株にいくらずつ投資をするかというマネーバランス」でしたので、そのマネーバランスがボードゲームの面白さの重要な部分となるようにゲームを調整していきました。
つまり、自分がリアルで体験した面白かった経験をそのままボードゲームで再現するのです。
私はボードゲームの作成の際は、他の人と協力して考える場合もありますが、初期段階では一人で考えていきます。
みんなでいきなり話し合うと考えがまとまらずに混乱していくためです。なのである程度がゲーム設定やルールが完成するまでは一人で構成を練っていきましょう。
小規模スケールのゲームを作ることのメリットとして、この小規模サイズのゲームを複数回作ることでゲームバランスの調整や、どうすれば気軽にプレイしてももらえそうかがわかってきます。ボードゲームはプレイしてもらわなければ価値がないのです。
というか、いきなり大作のボードゲームを作っても試作プレイをする協力者も困ります。ボードゲームを作って満足するだけでなく色んな人に遊んでもらってこそボードゲームの価値が出てきます。
また、5~15分規模のボードゲームならばコストもさほど高くならないので、後々に製作費が掛かりすぎるリスクも減ります。
また、世の中にはたくさんのボードゲームが出回っています。同人のボードゲームを含めると驚くほどの数があると思います。そのため、知らない誰かが考えたボードゲームと内容が似てしまう可能性はありえます。それは仕方ないことです。
さらに、ボードゲームをプレイした経験や発想によって、経験したことがあるボードゲームに内容が似てしまうことが多々あります。これも仕方ないことです。
しかし、自分の作ったゲームとしての面白さが出るように考慮しましょう。色んな人が試行錯誤してボードゲームを作成していますので、どこかしらで似てしまうのは仕方ないのです。ならば自分のゲームオリジナリティは、自分のゲームの面白さを追求することで発揮しましょう。自分で試行錯誤した結果、他のゲームと似てしまったのあれば、それは模倣ではありません。自分のオリジナルのボードゲームです。
とはいえ、色んな種類のボードゲームや色んなゲームの経験をして発想を得るのはアリだと思います。楽しく他の人が作ったボードゲームを遊んでいく中で、自分だけのオリジナルのアイデアが出れば一石二鳥です。
③一人で自作しテストプレイをする
実際に紙を使ってテストプレイをしている様子の画像がこちらです。
自作ボードゲーム①「仮想通貨で大儲け!!」のテストプレイの様子
自作ボードゲーム②「スゴウデ結婚相談所」のテストプレイの様子
はい、超地味ですね。ただいらない紙を切って文字を書いてるだけです。いい歳した大人が一人で紙で遊んでる姿はシュールすぎます。この姿はだれにも見せたくありません。
しかし、一人でテストプレイをしてみないとわからないことが多々あるのです。というかゲームバランスの調整や、想定していた展開にゲームが進行しないなんてことはしばしば起きます。次の工程で行う友人と協力してのテストプレイでは、いかに友人とはいえ不具合が頻繁におこったのでは困ってしまうと思います。
なのでこの一人でゲームをするという超地味な作業は必須なのです。 誰も見ていないので恥を忍んで自作してやってみましょう。どうせ誰もみてないし。
一人でテストプレイをすると色々わかってきますが、このテストプレイにもコツがあります。ゲームバランスの調整は複数回行うことです。つまりテストプレイを別の日やってみることです。
また、恥さえ気にしなければ、自分で紙でテストゲームをしているのは実は超楽しいです。
自分が面白そうと思って作ったゲームですからね。そりゃ楽しいんですよ。自分の想定通りの展開にゲームが進みますし。
正直、一人で紙で遊んでるのは他の人からみたらとても変な人ですが、楽しいものは楽しいんです。めっちゃ楽しい。
でも、残念ながらその楽しさには補正が掛かっています。自分で作ったから楽しいという補正が脳にかかってしまっているんです。
そのため別の日にもう一度ゲームを行ってみます。そうすると客観的になれる自分がいるので作成したゲームが本当に面白いのかと考える余裕が生まれます。
ゲームバランスは簡単すぎても難しすぎてもダメです。ほどよくミスをしないとプレイヤーのゲームへの熱中度を煽れないのです。逆をいうと、世界観に依存しそうな内容でほどよいゲームバランスであれば面白いゲームができます。
④友人と自作したボードゲームのテストプレイをする
まずテストプレイをしてくれる協力者に感謝しましょう。自分で作ったボードゲームをプレイしてもらうのは緊張するし恥ずかしいですね。キチンとお礼を言うことが理想です。
心優しいご友人をお持ちですが、ここは容赦なく感想をいってもらいましょう。そうしないと面白いボードゲームが作れません。バグの指摘や、想定していなかった問題点の発見も大事だと思いますが、まず直観として作ったボードゲームが面白いかどうか聞いてみましょう。面白くなければ諦めて新しいボードゲームを作りましょう。
面白くないといわれることもありますがそこは仕方ないことです。それを受け入れて今あるボードゲームを改良するか、新しいボードゲームを作りましょう。一度ボードゲームを作った経験があれば、新しいボードゲームを考えることや、ボードゲームの改良はそんなに大変ではないはずです。
何事も経験です。たくさんボードゲームを試作しましょう。その中で面白かったものを次のステージに進めればよいのです。
つまらなかったと言われてここで挫折してはいけません。あきらめず新しいボードゲームを作って一人でテストプレイして、自信をもって面白い言われるものを作るのです。
きっと大手のゲーム会社である任天堂やコナミなどの日頃からゲームを作りなれている人ですらでもゲームのダメ出しをされていることでしょう。それに負けずにゲームを作りましょう。
面白そうな、売れそうなゲームの土台が出来たらいよいよ次の段階です。
⑤ボードゲームの印刷
処女作の「おしゃべり大好き」名刺作成サービスを使用して作成しました。
詳しくはこちらをご覧ください。
また、今現在、自作ボードゲーム「スゴウデ結婚相談所」が印刷手前まで来ています。
ボードゲームの作成方法は①手作りか、②印刷所を使う方法の二通りに分かれます。私は印刷所を使いますので、そちらについて解説していきます。
(ボードゲームのイラストについては、私は友人にデザインが得意な友人がいるので依頼をしてしまっていますので、今回は省略させて頂きます。)
一般に広く使われているボードゲームの印刷所は、「萬印堂」様、「ポプルス」様、「いたまや商会」様が有名です。色んなサイトでレビューがあるので調べてみるとよいです。
私としては萬印堂様の「小ロット応援オンデマンド印刷パック」がオススメです。
小ロット応援オンデマンド印刷パックの中身は要約すると次の3種類です。
①Aパック50 カード+化粧箱
・カード18枚
・化粧箱
・50セット
・20,000円
②Bパック50 カード+化粧箱
・カード36枚
・化粧箱
・50セット
・30,000円
③Cセット50 カード+ボード+チップ
・カード36枚
・ゲームボード (A2orA3サイズ)
・チップ 80枚×2
・50,000円
この三種類になります。まず初めて作るならばAセットかBセットで作ればよいと思います。2万円程度ならば試作で作るにも十分ですね。仕上がりはまるでプロが作ったような仕上がりになります。(実際プロの印刷会社なので)
プロが作ったような仕上がりのゲームはめっちゃ面白そうに感じます。ましてや自分の作ったゲームですから、その感情は凄いことになってます。
この「小ロット応援パック」を使うためにも、上の方にも書きましたがまずはカード18枚か36枚でできるゲームを考えるのがオススメなのです。
また、具体的なフォーマットはこの記事に記載されているので参考にしてみてください。
萬印堂印刷で具体的な印刷データの入稿について聞いてきた! | UKIUKI・BLOG
⑥ボードゲームの販売
まずはゲームマーケットにお客さんとして参加してみることがオススメです。そうしないとボードゲーム実際に売れそうなのかが予測できません。
ボードゲームは平均して100個程度売れるらしいです。ホントかなぁ?
でもきっと私のボードゲームはそんなに売れないと思います。実際にそんなにボードゲームを売るためには広告が必須だとは思います。
広告方法は自作のホームページやブログ、ツイッターなどでの告知が有効だと考えられます。ルールや概要を載せておけば面白そうと感じてくれる人もいると思いますし。
実際にいくつ売れるかは未知数ですが、一つでもゲームが売れてそのゲームで遊んでくれる方がいればうれしい限りだと私は考えています。
金額設定
予定では、萬印堂様の小ロット応援印刷パックによって生産する予定です。
そのため金額にすると50セット20,000円です。つまり1セットあたり400円のコストがかかることになります。そこに一般的なボードゲームの原価率をかけると、原価率33%で販売価格が1200円となります。
そこに本来ならばイラスト代金が掛かります。現状はイラスト代は友人に格安で作ってもらえそうなのでなんとかなっていますが、本当は友人にも相場くらいの値段を払いたいところです。ところで同人ゲームのイラストの相場ってどのくらいなんでしょう?(1枚500~2,000円くらい?)
本当は利益をだして、協力してもらっている絵師さんにしっかりとしたお礼をしたいところなんですが、現状は趣味でボードゲーム作りを行っている段階なので協力価格で作成してもらっています。ありがたい話です。
販売戦略
実際にボードゲームをゲームマーケットで販売する場合は販売戦略も大切になる予感がします。見た目勝負になりそうなので絵師さんの技量が大切になりそうな予感がします。絵師様み頼りきりになりそうです。
また、ボードゲームが売れたら自分の作ったボードゲームをプレイしてくれる人に感謝をするべきだと思います。
私もこれからゲームマーケットに勇気を出して参加しますが、自分の作ったボードゲームをプレイしてくれる人には感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思います。
現在、ボードゲームを販売する直前まできていますので、ゲームマーケットで販売したらまた結果を更新したいと思います。
2019/7/1 追記
ゲームマーケットにて作成したスゴウデ結婚相談所を販売する予定でしたが、本職の仕事の都合により断念致しました。とても残念です。もし興味を持ってくださった方いたら本当に申し訳なく思います。
本職の仕事が忙しいため、しばらくはボードゲームの開発をお休みする予定ですが、反響があればまた作成していきたいと考えています。
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