卓球には裏ソフトラバー、表ソフトラバー、粒高ラバー、アンチソフトラバーなどの種類があります。
一般的には裏ソフトラバーが最も多く使用されていますが、それぞれのラバーには特徴があり、戦術や選手の特徴に合わせてラバーが選ばれています。
その中でも表ソフトラバーは相手の回転の影響を受けにくく、前陣でのプレーに適したラバーです。
そんな表ソフトラバーはどのような人に向いているのかをまとめました。
表ソフトラバーの特徴
表ソフトラバーは、ラバーの表面に粒上の凹凸(おうとつ)があるラバーです。
そのため、裏ソフトラバーよりもボールを打った時に接触面積が小さくなり、相手のボールの回転の影響を受けにくいといった特徴があります。
また表ソフトラバーは、粒高ラバーと比較すると、粒の高さが低いため、粒が倒れにくく自分からある程度の回転を掛けることが可能です。
つまり、相手の回転の影響を受けにくく、良く弾むラバーになります。
この表ソフトラバーの特徴を活かした戦術として、前陣でのスピードのある速攻戦術を得意とするラバーです。
逆に、台から下がっての大きなラリー戦には向きません。
表ソフトラバーで打ったボールは強い回転を掛けにくいため、打ったボールが失速して返されやすいためです。
そのため表ソフトを使ってプレーをするときは前陣でのプレーが中心となります。
ペン表速攻型に向いている人の特徴
ペン表速攻型は、サーブからの3球目攻撃と台上プレーで、シェークドライブ型が得意な大きなラリーに持っていく前に相手選手を振り回す戦術です。
そのため前陣でプレーするのが得意で台上技術や前陣でのブロックが得意な人がペン表速攻型に向いていると思います。
具体的にはペン表速攻型に向いている人の特徴をまとめました。
①フットワークが早い
ペン表速攻型の選手に大切な要素として、フットワークが早いことが重要です。
これはペンドライブ型の選手も同様で、裏面を貼る時代であっても、ペンホルダーの選手はフォアで攻めることが多いため、フットワークが早いことが重要です。
そのため、フットワーク練習をキチンと行い、フォアハンドで積極的に攻める意識を持つことが重要です。
②手先が器用で台上プレーが上手い
ペン表速攻型は、スマッシュで強打をするイメージが強いと思いますが、台上での小技がとても重要です。
見た目には地味ですが、台上プレーが勝敗を大きく左右します。
台上プレーで先手を取ること出来なければ、ペン表の選手が安定して勝つことは難しくなります。
大会で勝ち上がるペン表速攻型の選手はフォアハンドの強打が上手いだけでなく、そこに結びつけるための台上プレーが非常に上手です。
相手選手に打たせないためストップや自分から仕掛けるフリック、打点が早く相手を詰まらせるツッツキなどを駆使し、チャンスボールを作り出しています。
台上プレーの練習は非常に地味ですが、ペン表速攻型の選手はしっかりと練習をしましょう。
③自分で試行錯誤出来る人
ペン表速攻型の選手は自分で試行錯誤をすることが重要です。
他の戦型も試行錯誤は大切ですが、ペン表速攻型はラバーやラケットの種類によって戦術が大きく変わってしまいます。
用具によって勝敗が左右されやすいためしっかりと検討する必要があります。
そのため自分でラバーやラケットについて調べて、色々と試行錯誤をすることが得意な人が表ソフトに向いています。
④最後までフットワークを活かして攻め切るんだという強いメンタル
これは精神面になってしまいますが、表ソフトを使用する選手は弱気になってしまうと急激に弱くなってしまいます。シェークのフォア表の選手も同様です。
表ソフトでのミート打ちの攻撃は直線的な打球のためミスが出やすく、メンタルに左右されやすいです。
勝っていても、負けていても、「最後までフットワークを使ってフォアで攻めていく」という意識を持てプレーしないと、逆転負けをしてしまう可能性があります。
特に、試合に勝っている時に、「ミスをしたくなくて、消極的なツッツキやショートで相手選手のミス待ちをする」選手が多くいます。
ミス待ちの戦略では、自分と同等以上のレベルの選手と試合をしたときに、攻撃をしてこないと分かれば一気に不利になります。
勝っている時でも最後までフォアで攻めるんだという強いメンタルが大切です。
強いメンタルを持つためには、一か八かの強打だけではなく、安定して強打を打ち込む技術力や、相手を崩すための台上プレー、確実な繋ぎ技術の練習を行って、安定感の高い技術を身に着けておくことが重要です。
シェークフォア表に向いている人の特徴
シェークのフォア表型の場合は、シェークドライブ型と似ていますが、前陣でのプレーを得意とする選手に向いています。
シェークハンドのフォア表型の選手としては、2019年の世界選手権で準優勝をしたマティアス・ファルク選手が有名です。
マティアス・ファルク選手は相手選手のドライブを、フォア側の表ソフトでカウンターをすることが得意な選手です。また、非常に安定感のあるバックハンドも特徴です。
シェークのフォア表の選手は前陣でのフォアカウンターをキチンと練習するべきでしょう。
また、マティアスファルク選手はフォアハンド側にラクザPO、バックハンド側にラクザXを使用しているそうです。
シェークバック表に向いている人の特徴
シェークバック表の戦型は女子の小柄な選手がよく採用する戦型で、前陣での攻守が得意な選手に向いています。
特に日本人の女子選手に多く、体格に優れるヨーロッパのシェークドライブ型の選手に対して、前陣での早いピッチのラリーで対抗しています。
プレーの特徴としては、バック側の表ソフトラバーで、前陣での早いタイミングでのバックハンド攻撃が特徴です。
また、女子選手の場合では、前陣で早いタイミングでラリーが続くことが多くなります。
一定のピッチでの前陣の打ち合いが多いため、初速の速い表ソフトラバーでの打ち合いや、表ソフトラバーでのボールの変化が大きく効きます。
そのため女子選手でバックに表ソフトを張る選手は多く、バック側に表ソフトラバーが使用されています。
シェークバック表の表ソフトの種類
女子選手の場合は前陣でプレーをするため、バック側の表ソフトラバーは、テンションラバーでも、非テンションラバーでも大丈夫です。
テンション系ラバーでは、裏ソフトに近いVO>102、回転系表ソフトとスピード系表ソフトの中間のモリストSP、ナックルボールがでやすい非テンション系スピード系表ソフトのスペクトルなどの選択肢が上げられます。
東京オリンピックで金メダルを取った伊藤美誠選手は、バック側にモリストSPを使用しています。
モリストSPは表ソフト特有のナックルボールでのいやらしさがありながら、回転が掛かるラバーです。
モリストSPは、自分で打つ時はスポンジが柔らかいため打ちやすく、回転が掛かったり、ナックルになったりと使い勝手の良いラバーです。バック表でのラバーに悩んだ女子選手はモリストSPを選択するのも良いと思います。
VO>102は、全日本選手権で平野美羽選手に勝った木原美悠選手が使用しているラバーで、スピードが出やすく回転も掛かる表ソフトラバーです。表ソフトを使って攻撃的なプレーをしたい方はVO>102もオススメです。
モリストSPを使ってみて、もっとボールのスピードを出したと思えばVO>102、表ソフトを使いこなすのが難しいと思ったら回転系表ソフトや裏ソフトに変更したり、逆にもっとナックルボールを出したいと思えばスピード系表ソフトのスペクトル、さらにナックルを出したいと思ったら変化系表ソフトや粒高などのラバーにチャレンジしたらよいと思います。
いずれにしても、まずは良く使われている表ソフトのラバーを試してみて、そこから自分の打法や戦術にあったラバーを模索していくのが良いと思います。
※この記事は筆者個人の意見なので、ご参考程度にお願いします。
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