表ソフトラバーを使う選手は多くありませんが、試合で対戦して負けてしまった経験はありませんか?
表ソフトラバーは裏ソフトラバーと比べて独特な球質であり、対策を練っておかないと苦戦をしてしまいます。
この記事では表ソフトラバーの特徴と弱点について説明します。
一般的な表ソフトラバーの特徴
表ソフトラバーは、卓球のラバーの一種で、ラバーの表面に低い粒が並んでいるのが特徴です。
この粒状構造が、ラバーとボールの接触時間を短くし、独特の打球感を生み出します。
表ソフトラバーは相手の回転の影響を受けにくく、ブロックやドライブに対するカウンターが安定しやすくなります。
また、表ソフトラバーは、球離れが速いため、打球速度が速くなります。
そのためスマッシュやミート打ちなど、スピードを活かしたプレーに向いています。
表ソフトラバーは、回転の少ないボール(ナックルボール)を簡単に打てる特性があります。
ナックルボールは予測が難しく、相手にとってミスを誘いやすい球質になります。
表ソフトラバーで打つボールは、弧線を描くことが少なく、直線的に相手コートに飛んでいきます。
これにより、相手に時間的余裕を奪うことができます。
相手の回転の影響を受けにくい特性から、ブロックが安定しやすいです。
特に、強い回転のかかったボールに対しても、しっかりと返球することができます。
表ソフトラバーは、スピードと安定性を兼ね備えたラバーで、速攻やブロック、ナックルボールを得意とする選手に適しています。
その特性を最大限に活かすためには、ラバーの特性に応じた技術と戦術の習得が重要です。
表ソフトラバーのデメリット
表ソフトラバーには多くのメリットがありますが、一方でいくつかの弱点もあります。
一般的な表ソフトラバーの弱点を詳しく説明します。
- 回転をかけにくい
- 表ソフトラバーは粒状構造のため、裏ソフトラバーに比べてボールに回転をかけることが難しいです。
特に強い強い上回転を掛けることが難しく、安定して回転の掛かったドライブを打つことが難しいです。
- 表ソフトラバーは粒状構造のため、裏ソフトラバーに比べてボールに回転をかけることが難しいです。
- ナックルボールの使いこなし
- 変化系の表ソフトラバーを除き、一般的な表ソフトラバー(特に回転系表ソフトラバー)ではナックルボールを意図的に打つためには技量が必要です。
特に相手選手のドライブに対して、下回転性のナックル性のカットブロックを習得するためには技術が必要です。
初心者や裏ソフトラバーから転向した選手にとっては、ナックルボールの打ち方を習得するのに時間がかかることがあります。
(その分、カットブロックを習得すると強力な武器になります。)
- 変化系の表ソフトラバーを除き、一般的な表ソフトラバー(特に回転系表ソフトラバー)ではナックルボールを意図的に打つためには技量が必要です。
- 安定性の低下
- ボールの弾道が直線的になるため、攻撃時に安定して相手コートに返球するのが難しいことがあります。
特に、速いスピードでのプレーでは、ドライブに回転を掛けることができないため裏ソフトラバーと比べてミスが増えやすい傾向にあります。
- ボールの弾道が直線的になるため、攻撃時に安定して相手コートに返球するのが難しいことがあります。
- サーブの回転量
- サーブ時に回転をかけるのが難しいため、強力なスピンサーブを出すのが困難です。
これにより、サーブからの3球目攻撃につなげる戦術が制限されることがあります。
- サーブ時に回転をかけるのが難しいため、強力なスピンサーブを出すのが困難です。
- 対策されやすい
- 相手が表ソフトラバーの特徴を理解している場合、ナックルボールや直線的な弾道を予測しやすく、効果的な対策を取られることがあります。
特に、上級者との対戦では、台から離れてロビングをされることや、表ソフトの選手が苦手な深いボールを打たれるなど、この点が顕著になります。
- 相手が表ソフトラバーの特徴を理解している場合、ナックルボールや直線的な弾道を予測しやすく、効果的な対策を取られることがあります。
シェークバック表の選手の弱点
シェークバック表の選手は一般的にバック側への長い下回転を苦手とする傾向があります。
表ソフトラバーでは、下回転のボールに対して、安定して強いドライブを掛けることが難しいです。
特に回転系表ソフトに比べて、スピード系表ソフトではその傾向が顕著であり、下回転の長いボールを苦手としている選手も多くいます。
長い下回転のサーブに対して、バックツッツキで返球することは簡単ですが、上級者レベルになるとバックへの下回転のボールに対してツッツキの返球だけでは、予測をされて待たれてしまい、3球目でドライブなどで強打されて苦しい展開になります。
東京オリンピックの女子シングルス準決勝にて、シェークバック表である伊藤美誠選手は中国選手に徹底的にこの弱点を突かれて、その試合に敗れたと言われています。
(もちろんの要因もありますが、表ソフトの弱点を徹底的に突かれていました。)
この弱点を克服するために、回り込みからのフォアハンドでの速攻プレー、シェーク表ソフトの選手もバックドライブを練習したり、チキータやミユータといった変化を付けた返球で対抗しますが、やはり一般的にはバック側の下回転の処理に苦戦する選手が多いです。
シェークバック表の選手は、長い下回転のボールをうまく処理できるかが一つのポイントになります。
参照記事①【卓球】シェークバック表ソフトの弱点とは【表ソフト対策】
シェークフォア表の弱点
シェークフォア表の選手はフォア側への長くて低い下回転ボールに対して、安定して強力なドライブを打つことが難しいです。
そのため、ショートサーブだけでなく、ロングサーブを多用することが大事になります。
一般的に表ソフトを貼っている選手は、フォア表の選手も、バック表の選手もペン表の選手も台の近くでプレーすることを得意とし、台から距離を取った際のプレーでは、パフォーマンスが落ちやすくなります。
そのため、怖がらずにロングボールを多用することが大事になります。
ロングサーブを出すと、強打にて返球をされる可能性もありますが、表ソフトを使用する選手に対してショートサーブだけで戦術を組み立てようとすると、表ソフトの得意な台の近くでのプレーをされてしまいます。
そのため、相手選手に打たれたりして、自分の得点に繋がらなかったとしても、ロングボールを出すことによって、表ソフトを使用する選手に常に台の近くでプレーをさせないということは大事な心構えになります。
また、表ソフトで打った強打は入れば返球することが難しく得点になりやすいです。しかし、表ソフトを使用する選手も低くて強い回転の掛かったボールに対して、ミート打ちで強打することはリスクが高いため、本来はやりたくありません。
そのため、怖がらずに大きなプレーに持ち込むことが大切です。
参照記事②【卓球】シェークフォア表の選手の弱点とは【フォア表対策】
ペン表の弱点
ペン表の選手の苦手としている球は、フォア側への低くて長い下回転、バック側への長い下回転になります。
フォア側への長くて低い下回転
- フォア側への低くて長い下回転に対しては、シェークのフォア表の選手と同様にミスするリスクを背負いながら強打する、もしくは緩いドライブで繋ぐといった選択肢が主になります。
- 一般的に裏ソフトのラバーと比べて、安定して強いドライブを掛けにくいため、下回転系のロングボールを出されると返球に困る可能性が高いです。上級者のペン表の選手はドライブも得意な選手が多いですが、ペン表ラケットの構造上返球が難しいコースになります。
- また、大切な点としては、フォア側の強くて低い下回転のボールの処理が難しいという事で、高くて浅くて回転のあまり掛かっていない下回転のボールは簡単に強打が出来てしまうため、注意が必要です。
- また、フォア側への下回転のボールはコースも大切で、表ソフトを使用する選手がその場で打球を出来るようなコースであれば強打は簡単ですが、フォア側へのフットワークをしながら強打することはかなり難しくなります。(強打の入る確率が大きく落ちます。)
- 更にフォア側へ飛びついた後のバックの処理は、さらに返球が難しいため、大きくフォア側へ動かすことが対ペン表の一つの対策方法になります。
バック側への長くて低い下回転
- ペンのラケットの構造上、バック側への下回転のボールはツッツキでの返球が最も簡単ですが、他の返球手段がかなり難しいです。
バック側へ下回転を出した後に、ツッツキをさせて、3球目で強打をする展開になるとペン表ソフトの選手は非常に苦しい展開になります。
- このバック側への下回転の処理の難しさが、ペン表ソフトが現代卓球で数を少なくしている最大の原因です。そのため、ペン表ソフトの選手と当たった場合はこの弱点を徹底的に狙いましょう。
まとめ
表ソフトラバーは独特な球質を持つため、対策が不十分だと試合で苦戦することがあります。
この記事では、表ソフトラバーの特徴と弱点を詳しく解説しました。
表ソフトラバーの特徴
- 粒状構造:ラバーの表面に低い粒が並び、接触時間が短く独特の打球感を生む。
- 回転影響の軽減:相手の回転の影響を受けにくく、安定したブロックやカウンターが可能。
- 球離れの速さ:打球速度が速く、スマッシュやミート打ちに向いている。
- ナックルボールの生成:回転の少ないボールを打ちやすく、相手のミスを誘いやすい。
- 直線的な弾道:弧線を描かずに直線的に飛び、相手に時間的余裕を与えない。
表ソフトラバーのデメリット
- 回転をかけにくい:強い上回転をかけるのが難しい。
- ナックルボールの使いこなし:技量が必要で、初心者には習得が難しい。
- 安定性の低下:直線的な弾道が原因で、安定した返球が難しい。
- サーブの回転量:強力なスピンサーブを出すのが困難。
- 対策されやすい:特徴を理解されると効果的な対策を取られやすい。
特定のプレースタイルに対する弱点
- シェークバック表の選手:
- 長い下回転ボールに弱い。
- バック側へのツッツキ返球が予測されやすい。
- 弱点を克服するためにフォアハンド速攻やバックドライブの練習が必要。
- シェークフォア表の選手:
- フォア側への長くて低い下回転ボールが苦手。
- ロングサーブを多用し、台の近くでのプレーを避けさせることが重要。
- ペン表の選手:
- フォア側への長くて低い下回転ボール、バック側への長い下回転ボールが苦手。
- フォア側への大きなフットワークが必要なショットやバック側への下回転でプレッシャーをかけることが有効。
表ソフトラバーはスピードと安定性を兼ね備えたラバーですが、特定の弱点を持っています。
これらの弱点を理解し、効果的な対策を練ることで、表ソフトラバーを使用する選手に対して有利に試合を運ぶことができます。
また、表ソフトラバーを使う選手自身も、弱点を克服するための技術と戦術の習得が必要です。
この記事が参考になれば幸いです。
参照記事①【卓球】シェークバック表ソフトの弱点とは【表ソフト対策】
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