卓球には様々な種類のラバーがあり、裏ソフトラバー、表ソフトラバー、粒高ラバーなどの種類があります。
その中でも、表ソフトラバーはラバーの種類によって大きく性質の異なるラバーです。
また、使用している選手が少ないため、表ソフトラバーの特徴や種類について理解をしていない選手も多くいると思います。
この記事では、表ソフトラバーの特徴や種類について説明します。
表ソフトラバーの特徴
表ソフトラバーは、ラバーの表面に低い粒が並んでいるタイプのラバーで、ラリーの早い段階で攻める速攻プレーに適したラバーです。
表ソフトラバーは、ラバーの粒状構造により、打球時にボールがラバーに触れる時間が短くなります。
これにより、ラバーとボールの接触時間が短くなり、相手の回転の影響を受けにくく、ボールのスピードが速くなります。
また、相手の回転の影響を受けにくいためブロックやカウンターが安定しやすくなります。
表ソフトラバーは回転の少ないボール(ナックルボール)を打ちやすいです。
ナックルボールは相手にとって予測しにくく、思わぬミスを誘いやすい特性があります。
例えば、伊藤美誠選手は表ソフトラバーを使用しており、速いテンポの打球と、ほとんど回転のかかっていないナックルボールを意図的に打ち、直線状に相手コートに打ち込むプレースタイルで知られています。
表ソフトラバーの種類
表ソフトラバーには、さまざまな種類があります。それぞれが異なる特性や特徴を持っており、プレイヤーの好みやプレースタイルに合わせて選ばれます。
一般的な表ソフトラバーは以下の3種類があります。
- 回転系表ソフトラバー
- スピード系表ソフトラバー
- 変化系表ソフトラバー
これらの種類は一般的な分類であり、実際には回転系表ソフトラバーの中でもスピードの出やすいラバーであったり、スピード系表ソフトと変化系表ソフトの中間のようなラバーも存在します。
回転系表ソフトの特徴
回転系表ソフトラバーは、表ソフトラバーの中で最も回転をかけることが得意なタイプのラバーです。
これらのラバーは、ボールにしっかりと回転をかけて、相手を攻撃したり、ブロックを安定させたりするのに適しています。
また名前からは意外な印象を持ちますが、スピード系表ソフトよりもスピードが出るラバーも多く存在します。
回転系表ソフトラバーは、表面の粒が大きく、低い粒で構成されています。
これにより、表ソフトの中ではボールとの接触面積が大きいため、回転がかけやすい構造になっています。
回転系表ソフトラバーは、表ソフトを使用する選手の中でもドライブやツッツキなど、回転をかける技術を主体とするプレースタイルに適しています。
特に、相手の回転を活かしてブロックやカウンターをする際に有利です。また、スピン性能に優れているため、サーブやレシーブなどでも使用しやすいラバーです。
欠点としては、ナチュラルにナックルボールが出にくいため、意図的にナックルボールを出す技術が必要になります。
回転系表ソフトはナックルボールを上手く打つことができないと、裏ソフトよりも回転のかからない中途半端なラバーになってしまうため、表ソフトらしいナックルボールを活かしたプレーをするためには技術が必要になります。
最近では回転系表ソフトラバーとしては、VO>102などが使用されていることが多いです。
スピード系表ソフト
スピード系表ソフトラバーは、球離れの早さを活かして、スマッシュやミート打ちを中心としてプレーすることが得意な表ソフトラバーです。
スピード系表ソフトラバーは、中くらいのサイズで低い高さの粒が配置されています。
それにより、これらのラバーは相手の回転の影響を受けにくく、打球時に速いスピードを生み出すことができます。
また、あまり弧線を描かずに直線状に相手コートにボールが飛んでいくため、相手選手の時間的余裕を奪い、速いピッチでのプレーをすることができます。
スピード系表ソフトラバーは、特に速攻や直線的な攻撃を得意とする選手に適しています。
ドライブやスマッシュなどの攻撃技術においては、速いスピードでのボールになりつつ、粒が低いため適度なナックル性のボールになり、相手選手としては意図していないミスが増えてしまいます。
欠点としては、自分から回転をかけることができますが、裏ソフトラバーや回転系表ソフトラバーほど回転をかけることができません。
また、ボールの軌道が直線状になってしまうため、ミスが増えやすくなり、安定してスマッシュやミート打ちを打つためには技術が必要になります。
スピード系表ソフトラバーとしてはスペクトルS1などが使用されていることが多いです。
変化系表ソフト
変化系表ソフトラバーは、打球時にボールの動きにナックルボールによる小さな変化を与える効果を持つ表ソフトラバーです。
これらのラバーは、相手を惑わせるためのトリッキーショットや、予測を外すための戦術的なプレーに適しています。
変化系表ソフトラバーは、表面の粒がやや高く、小さい構造をしています。そのため、打球時にほとんど回転がかからずにナックルボールになります。
変化系表ソフトラバーは、ボールとの接触面積が少ないため、相手の回転影響を受けにくく、ブロックを主体としたプレーも得意としています。
変化系表ソフトラバーでのブロックは非常にナックル性の高いボールとなり、相手選手からすると止まるようなブロックになります。
変化系表ソフトラバーでの攻撃は、ナックル性が高いため相手選手は、通常と同じように打球をしようとすると、ボールが飛ばずにネットを超えることが難しくなります。
これにより、相手選手がミスが増えることで得点を重ねるのが変化系表ソフトラバーの特徴になります。
このように、変化系表ソフトラバーは、相手の予測を外すための戦術的な要素を持ち合わせています。
欠点としては、変化系表ソフトラバーは扱いが難しく、今まで裏ソフトラバーを使用していた選手からすると相当な違和感を感じると思います。
また、自分から回転をかける技術はほとんどできません。そのため、サーブ時にはもう片面の裏ソフトラバーでサーブを出すなどの工夫が必要です。
また、変化系表ソフトラバーでの攻撃の技術は自分から回転をかけられないため、ドライブ攻撃が難しくミート打ちが主流になります。
変化系表ソフトラバーでのミート打ちはナックル性が高いため取りにくいですが、安定して相手コートに入れるためには技術が必要になります。
変化系表ソフトラバーとしては、アタック8やドナックルなどが使用されていることが多いです。
表ソフトラバーの特徴と種類のまとめ
表ソフトラバーの特徴
- 表面に低い粒が並んでいるラバー。
- 打球時にボールがラバーに触れる時間が短く、相手の回転の影響を受けにくくなる。
- ボールのスピードが速くなり、ブロックやカウンターが安定しやすい。
- 回転の少ないボール(ナックルボール)を打ちやすく、相手にとって予測しにくい。
- 例として、伊藤美誠選手が使用し、速いテンポとナックルボールでプレーする。
表ソフトラバーの種類
- 回転系表ソフトラバー
- 最も回転をかけることが得意なタイプ。
- 粒が大きく低い構造で、接触面積が大きいため回転がかけやすい。
- ドライブやツッツキなど、回転をかける技術に適している。
- 欠点としては、ナックルボールを出す技術が必要。
- スピード系表ソフトラバー
- 球離れの早さを活かし、スマッシュやミート打ちに適したタイプ。
- 粒が中くらいのサイズで低く配置されている。
- 相手の回転の影響を受けにくく、速いスピードでの打球が可能。
- 欠点としては、回転をかけることが難しく、ボールの軌道が直線的になりミスが増えやすい。
- 変化系表ソフトラバー
- ナックルボールによる小さな変化を与える効果を持つタイプ。
- 粒がやや高く小さい構造で、回転がかかりにくい。
- 相手の回転の影響を受けにくく、ブロックやナックル性の高い攻撃が得意。
- 欠点としては、扱いが難しく、自分から回転をかけることがほとんどできない。
まとめ
表ソフトラバーは、粒の高さや形状により異なる特性を持ち、プレイヤーのプレースタイルに応じて選ぶことが重要です。
回転系、スピード系、変化系の各ラバーはそれぞれ独自の利点と欠点を持ち、技術や戦術に応じた選択が求められます。
この記事が参考になれば幸いです。
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