卓球にはいくつかのプレースタイルがあり、そのうちにペン表前陣速攻型と呼ばれる戦術があります。
ペン表前陣速攻型は表ソフトラバーを用いて、スマッシュを多用して攻めていく攻撃型のスタイルになります。
今回は魅力あふれるペン表前陣速攻型についてまとめていきます。
ペン表前陣速攻型とは?
ペン表前陣速攻型とはペンラケットを用いて前陣近くでプレーをする戦術です。主にラバーはフォア側に表ソフトラバーを使用しています。
(ピンポンという漫画で主人公のペコが用いていた戦術になります。)
ペン表速攻型は、文字通り攻撃型のプレースタイルで、台上プレーで先手を取り、ネットより少し高い球に対しての角度打ちとよばれる強打にて積極的に攻めていきます。
基本的に自分から攻撃をしていく戦型になりますが、相手に攻撃をされても前陣でのブロックやカウンターを狙い打つ攻撃型の戦型です。
そのため、必然的にミスも多くなり、ハイリスク、ハイリターンな戦い方をになります。
現在はボールの大きさが40mmになり、材質もプラスチックに変更されている影響でペン表速攻型の選手の数が減ってきていますが、昔は世界チャンピオン、オリンピックチャンピオンを何人も輩出している戦型です。
表ソフトラバーって?
ペン表速攻型は表ソフトラバーを使用してプレーをします。
表ソフトラバーの基本的な特徴としては「ボールの回転の影響を受けにくい」という点です。
ラバーの表面が粒上になっているため、裏ソフトラバーと異なり、ボールとラバーの接触面積が少なくなり、単純に回転の影響を受ける割合が少なくなります。
そのため裏ソフトラバーを使っている選手と異なる球質のレシーブが出来たり、回転の掛かっているループドライブをブロックすることが得意です。
ナックルボール
表ソフト特有のいやらしいボールがナックルボールです。
多くの選手が使う裏ソフトラバーでは基本的にフォアハンド、バックハンドともに上回転が掛かり相手コートに返球されますが、表ソフトで打ったボールには回転があまりかかりません。
そのため、表ソフトとラバーで打った打球を普通に返球しようとすると、ボールを上手く返球することが出来ずにネットミスをしてしまいます。
さらには回転が掛からない分、表ソフトラバーで打った打球は放物線ではなく、直線的な弾道で飛んでくるためより返球しにくいといった特徴があります。
ペン表速攻型の強み①スマッシュが取りにくい
ペン表速攻型選手の攻撃は非常にとりにくいと言われています。
ペン表速攻型はネットより高いボールに対しては積極的にスマッシュや角度打ち(ミート打ち)と呼ばれる打法で攻撃をしていきます。
角度打ちは、相手が打ったボールの回転量に合わせてラケットの角度を調整し、フラットの強打で攻撃をする打法になります。
スマッシュはフラットに強打をする打法になります。表ソフトラバーは相手の回転の影響を受けにくいという事があり、スマッシュを打ちやすいラバーになります。
角度打ちやスマッシュで打ったボールは上回転があまりかからずナックルの球質で相手に返球されるため、相手選手からすると非常に取りにくいボールになります。
ドライブはブロックできても、スマッシュはブロックするのは上手くないという選手も多いです。
ドライブはボールをこすって回転を掛ける打法なので回転は掛かりますが、初速は遅く、軌道も山なりになります。
しかしスマッシュはボールを強く弾く打球になるので、初速が速く、弾道が直線的に飛んできて、なおかつナックルの球質なので非常に取りにくいといった特徴があります。
ペン表速攻型の強み②台上プレーが得意
ペン表速攻型の選手はシェークハンドの選手よりも台上プレーが上手い選手が多いです。
手首を使いやすいペンラケットのに加えて、相手の回転を受けにくい表ソフトラバーを使っているため台上処理がしやすいです。
そのため、台上プレーで先手を取ることを得意としている選手が多いです。
台上で2バウンドをするストップや、ネットよりも高い球を払うフリックなど、台上で先手を取って相手を振り回すことができることがペン表速攻型の強みです。
ペン表速攻型の強み③ブロックが堅く
ペン表速攻型の選手は前陣でのバックブロックが得意です。
ペン表速攻型の選手は表ソフトラバーを使用しているため相手の回転を受けにくいことを利用してブロックを多用する選手も多くいます。
ただのバックショートだけでなく、プッシュショートや、ナックル性のショート、ストップ性のショート、サイドスピンショートなど様々な種類のショートを駆使して相手の攻撃をブロックしてからのカウンタープレーも得意技の一つです。
ペン表速攻型の弱点①強い回転を掛けることが難しい
ペン表速攻型の選手は自分から回転を掛けるプレーを得意としていません。
表ソフトラバーは表面が粒上になっているため、相手のボールの回転の影響を受けにくいといった特徴がありますが、逆に言えば自分から強い回転を掛けることが難しいといったデメリットでもあります。
そのため、強く回転の掛かったドライブや、回転の掛かったサーブを出すことが裏ソフトラバーに比べて難しいです。
ペン表速攻型は自分から回転を掛けるということが難しいため、相手に下回転のドライブさせて、その上回転のボールを角度打ちでカウンターしたり、バックショートで振り回すといった戦術も多用していきます。そのため、相手選手に打たせるという戦術も必須となっていきます。
ペン表速攻型の弱点②弾道が直線的なのでミスをしやすい
ペン表速攻型の選手はフォアハンドの攻撃のミスが増えやすいといった欠点があります。
表ソフトラバーはボールに強い回転を掛けることが難しいため、強い回転のドライブを打つことが難しいです。
フォアハンドは上回転を掛けることにより、山なりの弧線を描きやすくなり、安定して相手コートに入れることができます。
しかし表主とラバーで打った打球は上回転があまり掛かりません。そのためフォアハンドで打ったボールは直線的になり、ネットミスやオーバーミスが増えやすいといった欠点があります。
最近の裏ソフトラバーは非常に回転を掛けやすいラバーが多いため、表ソフトラバーの回転の掛けにくさはデメリットとして目立ちやすいです。
ペン表速攻型の弱点③バックハンドでの下回転ボールに対する攻撃が難しい
現代卓球においてペン表速攻型の大きな弱点となっている点がバックハンドの下回転ボールに対する攻撃手段が少ない点です。
これはペン表速攻型に限らず、ペンドライブ型も含めたペンラケット共通の弱点になります。
従来より、バック側への下回転ボールに対する攻撃手段としては回り込んでフォアハンドで攻撃するの主体となって対応をしてきました。
しかし、シェークハンドラケットでは用具の進化や技術の進化により、バックハンドでの下回転ボールに対する攻撃を上手い選手がとても増えています。そのため、バック側に対して回り込んでしか対応が出来ないペンラケットが不利になっています。
ペンラケット選手のバック側の下回転ボールに対する対応手段としては裏面にラバーを張った裏面打法という対応方法が編み出され、取り入れる選手が増えています。
裏面打法を使用することにより、シェークの選手と同様にバックハンドへの下回転ボールを攻撃することができるため、この弱点は解消することが出来ます。
これからペンラケットで卓球を始める方はぜひとも裏面打法の取り入れをオススメしています。
ペン表速攻型の弱点③台から下げられると苦しい展開になる
ペン表速攻型は台から離れたプレーを得意としていません。
表ソフトラバーはボールに回転を掛けることが得意でないため、台から下げられた場合に強い回転を掛けたドライブで対抗することが難しくなります。
そのため、台から下げられた際に表ソフトラバーの特徴を活かしにくいといったデメリットが大きくなります。
ペン表速攻型の選手は出来る限り台から離れずにプレーすることが重要です。
まとめ
今回はペン表速攻型についてまとめました。
このブログではペン表速攻型に関する記事を書いていますので、他の記事も参考にして頂けると嬉しいです。
この記事が参考になれば幸いです。
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